撚糸加工にかかる時間って皆さん御存知でしょうか?
糸の番手や撚り回数、撚糸機の回転数などの条件によっても変わりますが、1kgを作るのに30/2クラスで約24時間、60/2クラスになると、50時間を超えたりします。
“撚糸(ねんし)”って、実は、とても長い時間をかけて行う作業工程なんです。
糸の番手や素材に応じて、適度な撚り回数にするのはもちろんの事、意図的に撚り回数を少なくする“甘撚(あまよ)り”や、
撚り回数を濃くする“強撚(きょうねん)”、水溶性の糸を使った“無撚糸(むねんし)加工”や異素材を撚糸する“交撚(こうねん)加工”、ウレタンを使った“ストレッチ加工”など撚糸加工によって、様々な糸を生み出せるのが撚糸の魅力なんです。
だから私達は、糸の無限の可能性に挑戦していきます。
朝、晩と涼しいを通り越し、寒く感じられるようになりました。
夏の虫の声も、秋の虫たちの声に変わりました。秋の夜空は空気が澄んでいて、月がキレイに見えます。
だから十五夜には、実りの秋に感謝を込めて、すすきと団子を供え、お月見をするそうです。
月は、真っ暗な夜を優しい光で照らしてくれます。
そんな優しい光に包まれて、備後撚糸は、夜中も月とともに糸を撚り続けております。
2017年9月発行
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