「撚糸」と書いて、「ねんし」と読みます。糸に撚り(より)をかける、という意味です。
撚糸とは、1本から複数本の糸を引き揃え、撚糸機と呼ばれる機械でひねりを加える(撚る)ことで、糸に新たな強度をつける作業のことです。
たとえば、この糸に異素材を組み合わせ、撚糸することで独特の風合いや機能をもたらした新しい糸を創り出すことが可能です。例を挙げると、ユニフォーム業界などでよく使われる「静電糸」は、「ビニロン」と呼ばれる難燃繊維とフィラメント(長繊維)の異なる2種類の素材を引き揃え、その糸を撚糸することで創り出します。
弊社に限らず、撚糸加工自体は同じ糸を複数本引きそろえて撚糸することの方が多いと思われますが、上記の例のように異素材同士を引きそろえて撚糸する場合もあります。
撚糸の手順としては、原糸入荷 → 合糸 → 撚糸 → 検査・荷造り → 出荷、といった流れが一般的な工程です。
合糸(ごうし)とは、「合糸機」と呼ばれる機械で複数本の糸を引き揃えて合わせる作業のことです。撚糸加工の工程においては、この合糸工程がたいへん重要な作業になります。ここで複数本の糸がきれいに引きそろっていないと、撚糸がうまく出来ず「不良糸」が出来てしまいます。