備後撚糸株式会社が特許製法「水撚り製法」により開発した天然素材の紙糸「和紙糸」について解説していきます。
和紙糸とは、文字通りの「和紙から創られる糸」。特許取得「水撚り製法(みずより・せいほう)」により生み出された「紙の糸」のことです。
開発期間は約7年。材料メーカーの協力を得ながらようやく製品化にこぎつけました。
和紙糸は、幅1mmから30mmまでのテープ状に切った専用の和紙(=写真)を、専用の撚糸機で撚って仕上げます。綿糸に比べて重さは約半分で、表面に毛羽が立たない滑らかさが特徴。しっとりとした独特の手触り感、風合いが楽しめます。
現在、デニムやユニフォームをはじめとして、浴用タオル、ショール、ニット、帽子、鞄、文具関係、医療関係、帆布製品になど、さまざまなものづくり職人や関係者の手によって新製品が開発されています。今まで使っていた素材を和紙糸に変えることで従来にないメリットが生まれればこの上ないと考え、弊社としましても日夜、和紙糸の企画開発・広報活動に明け暮れています。
和紙糸は天然繊維であり、環境対策の視点で捉えたとしても「焼却は問題ない・地中分解もされる」という面から、ロハスという切り口や、エコ素材、環境保全という観点でもご検討いただけるかと存じます。スポーツ用資材、農業用途等にもさまざまな使い道はあると思いますので、和紙糸関連製品をご検討いただける方はぜひとも弊社まで、気軽にご連絡ください。
★試験データでは、従来の方法で和紙を撚った糸に比べて、水撚り製法で撚った和紙糸は「1.3倍」の強度となります。
和紙糸で開発した生地・製品についての詳細情報は「和紙糸の生地見本」ページで公開しています。
商品によっては生地のままでの販売・既製品として販売等、条件が異なりますので、不明な点は弊社までお気軽にお問合せください。既存データをふまえた上での新素材開発および新商品のご提案なども喜んで承ります。
現在、和紙糸を使用した新商品として、各協力企業様のご尽力により「和紙デニムジーンズ」「和紙デニムジャケット」「浴用タオル」「手描きバッグ」「ストール」「コースター」「ランチョンマット」「ノベルティ」等が誕生しています。
★2008年9月、広島市で行われたG8下院議長会議(議長サミット)において、弊社の和紙糸を使用した手帳(制作:株式会社鯨岡=東京都)が記念品として採用・各国議長に贈呈されました。→ 掲載記事(メディア掲載履歴・2008年度)
★2009年8月、株式会社パンゲア様が製作する「旧暦美人ダイアリー2010」にてブックカバーに弊社・和紙布が採用。本商品は現在、グッドデザインエキスポの一次審査を通過し、選出展示されております。
エコ素材・和紙糸を使った弊社ブランド「BoonLIGHT ~ ブーンライト」では、テキスタイルデザイナー塩谷栄一氏のプロデュースのもと、京友禅染めを採用したストールやバッグ等、撚糸と織りと染めの職人技が融合した作品をお楽しみいただけます。